2008年3月10日月曜日

昨日のマラソン

2000年9月。シドニーオリンピック。女子マラソン。

あの日は日曜日だった。当時まだ塾講師をしていた私は、起床は大体9時半。でもその日、翌春の退職を決めていて転職のためにTOEICの受験を毎月申し込んでいたので、いつもより少し早く起きた気がする。

起きてテレビをつけると女子マラソンをやっていた。その時、テレビにはシモン選手が映っていた。
「あ、この人が1位なのか。」
って思った。でも、まもなく画面が変わり、高橋尚子が映った。ゴールまであと少し、1位は高橋尚子だった。

出かける準備をするにはまだまだ余裕があったので、テレビを見ながら応援。一人暮らしをしていたので、1人で「頑張れ!頑張れ!」言いながら見ていた気がする。

そして優勝。テレビの前で1人、拍手。
高橋のインタビューが始まった。
「皆さんの声援のおかげで優勝することが出来ました。すごく楽しい42キロでした。ありがとうございました。」
涙が出た。今、その映像を見ても多分、泣く。「ご声援ありがとうございました」ではなくて、「声援のおかげで優勝できました」って言えるなんて。しかも、「すごく楽しい42キロでした」なんて。こうして文字を打って思い出すだけでも、涙が出そう。

昨日のマラソンも、いろいろ言われていたと思う。
でも、彼女の本当にすごいところ、皆に好かれるところは、どんなに叩かれても、試合で負けても、ちゃんと笑顔で会見に応じるところ。
本当は悔しいだろうに、大勢の人前で笑顔で話すなんて。

期待されて勝てなくて、終わった後に関係者に抱えられてまったく報道陣に姿を見せない選手だって多いのに、昨日の高橋尚子、終わった直後もスタンドの人たちに笑顔で挨拶していた。
ほんと、すばらしい。

正直、年齢を考えると、応援している私だって、もうきついんじゃないの・・?って思う。
でも、自分でもそう思っている中に、ひょっとしたらって気持ちがある。
勝てる勝てないは別として、彼女には頑張ってほしい。